遅めに起きて、BS2今週の「だんだん」を観て、シャワー。
気がつくと予定していた出発時刻を過ぎている。
今日は横浜みなとみらい大ホール。
12:22の電車を予定していたのだが、44分のに乗る。
弁当を買う時間もなかったので、ホームのコンビニでおにぎり(松茸ごはん、梅ごはん)を買ってグリーン車に乗り込む。
今日も混んでるので、1階の最前列、テーブルの小さい席に座り、膝の上でKOHJINSHAのキーを叩く。
13:30開場、14:00開演のウイーン・トーンキュンストラー管弦楽団の公演に間に合うのだろうか。
さあ、次横浜。PC仕舞って下車準備。
キユーピー スペシャル
ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団
指揮:クリスチャン・ヤルヴィ
ピアノ:上原彩子/ヴァイオリン:川久保賜紀
2008/10/04(土) 14:00~ 横浜みなとみらいホール
意外にも、みなとみらい駅に13:30に着いたオイラは足早にホールに向かう。が、そこには入場待ちの行列。もちっと遅くても良かったか。
とりあえず駆けつけ一杯、赤ワインでカンパイ!
席は19列目、下手側壁から5個目。ちょっと遠いけど、いい感じ。S席1万4000円。5月に購入。なんか、得チケも出ているみたいでちょっと良さげな席だったりして悔しいじゃないか~い。
しかし、前にここでオケ聴いた時はスイートスポットみたいなど真ん中の席で、イマイチ響きが悪かった。が! 今日の席は抜群の音響です。ちょっと後ろでも、かなり真ん中オフセットでも、音がいいのが一番。
さて演奏。
すごいです。ウイーン・トーンキュンストラー管弦楽団。最初の一音から最後の一音までものすごい集中力で手抜きなし。第一、演奏前のチューニングの音がまた抜群にいい。すごいです。
ウイーン・トーンキュンストラーは、メジャーじゃないけど、ウィーンではものすごく評判の良い人気オケらしい。
今日のプログラムは、日本のオケだと名曲シリーズとか何とか、ちょっと手抜きっぽいプログラムかもだけど、クリスチャン・ヤルヴィの指揮も、オケの演奏も、めちゃくちゃ凄い、芸術性も音楽性も抜群に高い水準の名演。
前半プログラムはグリーグ。
1曲目はペールギュント。相当聞き込んだ曲ですが、今日の演奏は新たな感動を起こしてくれた。フルート、クラリネット、オーボエ、ホルン、すべて期待する最高の音をこともなげに出してくれる。
そして金管も抜群にうまい。指揮者が意図した音を完璧に再現できる。だからこそ、音楽に深みと厚みが現れる。
クリスチャン・ヤルヴィは、一音一音大切に、テンポや音の強弱のメリハリがスゴイ、でもまったくあざとくなく、音楽の持つ美点と現代の聴衆の感性への訴えかけ、その両方をうまくバランスした聴き応えのある指揮をする人かな。ピンとこない…。ノリがいい? タイトでエッジの効いた音、オケの技術を余すところなく発揮させ、そして芸術的で美しい音楽を作る人。交響曲の入ったプログラムも聴いてみたいなあ。
2曲目、上原彩子とのグリーグのピアノ協奏曲。…! 素晴らしい出来! 上原彩子の演奏を聴いてここまで感動したのは初めて。クリスチャン・ヤルヴィ、トーンキュンストラーとの相性が抜群にいい。
上原さんというと、オイラの中では頑ななまでの厳粛な音楽、という堅苦しい印象があるのだが、このロマンティックな楽曲に対しても、その姿勢は貫き、しかしながらホールに響いた音楽は根暗でなく、甘々の情緒過剰でもなく、完璧なバランスの「歌」を聞かせてくれた。
1楽章最後のカデンツァで、さすが上原、といった、峻厳で、気品高く、骨太のピアニズムを聴かせたが、オケの演奏が芸術性と歌心のバランスが絶妙で、ピアノが奏でる音楽と抜群のマッチングを聴かせた。演奏家の個性と芸術性、そして音楽のもつ個性とロマンティシズムが見事に調和した、完全無欠の協奏曲という感じ。
2楽章は窒息するかと思った。上原のピアノの真骨頂か? 楽譜に書かれたメッセージを一つ一つ真摯に拾い上げ、音楽に再構築していくような、理論的というか、まさに上原さんらしい演奏。グリーグにイメージする音楽ではないのだが、この曲はこんな音楽だったのか、と一音も残さず聴き取りたい、そんな思いにかられ、思わず息をするのも忘れるほどだった。過剰に音楽にのめり込んだ演奏ではないのに歌が聞こえてくる。名曲と呼ばれる音楽はそんなものなのか。まじ、2楽章終盤は息が止まっていた。苦しかった。感動した。
3楽章はこの曲の中で最もC.ヤルヴィ・トーンキュンストラーの演奏の特徴が出るパートか。音の強弱の表現、弾むようなリズムの刻み。オケの抜群の技量が光る楽章。上原さんは相変わらず情緒的でなく、ピシッピシッと正確に音を出す。普通過剰なロマンティック表現に走りそうなクライマックスも、ピアノ・指揮・オケは抑制の利いた大人の、というか芸術的表現を崩さず抜群の調和で、辛口で現代的なグリーグのピアノコンチェルトを完成させた。
まじすげー演奏だった。これだけでお釣りがきそう。メインプログラムでもいい感じ。
C.ヤルヴィさんは、曲が終わると、スゴイ笑顔で、客席を振り向き「どうですかお客さん!」みたいなポーズを決める。クラシック音楽の敷居をものすごく低くしてくれる感じで、好感。
♪
今日は協奏曲2曲の日。
なんで今日の演奏会を選んだかというと、曜日の関係もあったけど、川久保賜紀の生演奏が聴きたかったから。(交響曲も聴きたかったけど…)
昨年、川久保さんの「リサイタル!」というCDを買って聴いたら、見事にはまった。めちゃくちゃ艶っぽい、潤いのある弦を聴かせるヴァイオリニスト。若手にうまい人は多いけど、この演奏は個性的で魅力的だ。(後日知ったのだが、「リサイタル!」はレコード芸術の特選を取った盤だそうだ)
で、チケット取った後、NHKのBSでスタジオ・リサイタルみたいなの見て、CDで聴いたのとはずいぶん違う印象に。けっこうピッチが不安定。雑に聞こえてしまう。…ちょっと心配かな。
後半プログラムはシベリウス。
1曲目は悲しきワルツ。
これでもか、ってくらい、ゆったりと、そして静かにスタート。
徐々にテンポアップしていく曲ですが、ここまで極端に遅いテンポの演奏は初めて聴いた。そして、テンポアップは、時計でも見ているかのように等加速度的に上がっていく。指揮者も見事なら演奏するオケも見事としかいいようがない。
情緒的にテンポをコントロールするタイプの演奏ではないので、ラストはわりとすっきり終わった感じ。「悲しきワルツ」のイメージも一新する演奏。
ほんとにこの指揮者とオケは、実に丹念に音楽を作り込んできている。名曲コンサートじゃないね。
2曲目、川久保賜紀のシベリウス/ヴァイオリン・コンチェルト。
実はこの曲、今年春まで、面白いと思ったことのない曲。よく聴くんだけど。で、今年になって認識を改めたのはヒラリー・ハーンとサロネンの名演盤を聴いてから。このCDで初めていい曲かも、と思ったのだった。
さて、今日、お目当ての川久保さんの演奏は、艶っぽい弦の響き、演奏法は存分に聴かせてもらったけど、全体の印象はやはりつまらない曲。
特に2楽章はかなりのスローテンポで、オーケストラとの息が合わない。客席の咳払いも増えた。グリーグに比べてシベリウスは客にとって厄介な音楽だったかも。
残念ながら川久保とC.ヤルヴィ、トーンキュンストラーの相性はあまり良くない感じ。というか、上原との共演は来日前に十分こなしてきたようだが、川久保との音楽の作り込みはさほど深くなっていないのかも。あるいは、川久保の情緒的な演奏スタイルが、端正な音作りのC.ヤルヴィと合わないのかな。この曲はソリストが目立ちすぎるとつまらないんだよな。上原との協奏のような完璧な調和とは言えず、音楽の方向性の違いみたいな違和感を覚えた。
でもまあ、川久保さんの個性には十分触れることが出来た。
川久保さんはソロパートのない部分ではオケの演奏にノッて体を揺すっている姿が印象的だった。前半の盛り上がり、楽曲のキャッチー度、そんなところで後半はちょい不利でしたが、やっぱりこの人はアメリカの音楽が似合うような気がするなあ。
2人のソリストはそれぞれアンコールを演奏。
上原彩子さんのグリーグ叙情小曲集~アリエッタは、それまで建築家のように論理的に積み上げてきた音楽とは印象が違って、優しいふわふわの音。お子さんに歌う子守歌のような。上原さんの魅力、再認識。
川久保賜紀さんのバッハ無伴奏ヴァイオリン・ソナタ~ブーレは、う~ん、バッハは川久保さんのピッチの不安定さを顕わにする。バッハはかなり正確に音を刻んで欲しいと、オイラは思う。川久保さんの評価は定まらず。
C.ヤルヴィ&ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団、よかったなあ。フルートのソロの音がメチャよかった。弦の響きも。他の木管も。金管も。打楽器も。う~ん、すべてがよかった。
やっぱ交響曲、聴いてみたい。