ピアソラ
初めて買ったCDは、今から21年前、クレーメルのモーツアルト・ヴァイオリン協奏曲第2&3番だった。(86年になるまでLP派を通していたんだな。CD高かったし。そのCDも1枚3500円もした…)
今日は初めて生クレーメルを見て、その演奏を聴いてきた。
ギドン・クレーメル
&
クレメラータ・バルティカ室内管弦楽団
2007/06/16(土) 15:00~
神奈川県立音楽堂
近所のセブンイレブンでチケットを発券してもらって(当日か!チケット購入したのは昨年の12月だというのに)錦糸町駅に向かう。まだ12時半。横浜桜木町にはかなり早く着く。向こうで何か食べよう。ってことで、駅の売店でリラックマのミニボールペンの付いたおーいお茶を買って快速電車に乗り込む。
中略。
桜木町に降り立つのはこれまた20数年ぶり。昔は東横線の終点だったんだっけ。
駅前から「音楽通り」に入ってすぐのところに尾道ラーメンの店があったので入ってみた。尾道ラーメンなんて初めて。横浜行って尾道ラーメンってのもよく分からんが、藻塩ラーメンというのを頼んだ。ラーメンが出てくるまで、窓の外を観察していたのだが、向かいの家の表に「シベリアを知っていますか」みたいな張り紙。シベリアってあの菓子パンのシベリアか? と思ってよく見ると、どうやらパン屋、いや、地味~なパン屋らしい。後で寄ってみるか、と思っているところにラーメン登場。かなりきつめの塩味。昆布の細切り、針昆布とでも言うべきか、そんなのが乗っていたのだが、正直微妙。塩ラーメンにあのヌルヌル感はいかがなものか…。
シベリアが名物らしきパン屋でシベリアとあんパン2種類を買って、神奈川県立音楽堂に向かう。
時間はまだたっぷりあるので、音楽堂の裏手にある公園、掃部山公園の木陰で涼みながらシベリアでも…と思ったのだが、思いの外お腹いっぱいで、シベリアは鞄にしまって、公園を散策。といったも小さな公園。木陰のベンチでしばらくボーッとする。井伊直弼の銅像が建っていた。掃部守だったらしい。井伊直弼。掃部守、カモンノカミって何さ?
開演3時、開場2時半。そろそろ時間だ。
音楽堂はかなり古い建物。いすは狭く、座面が低い。おいらは前から4列目だったのだが、ちょうど4列目まで、床の高さ同じ。5列目から階段状に上に行くほど高くなっている。…。正直もう一列上の方が見やすかったかな。
♪
クーラー対策で上着を着て聴く。しかし、ちょと暑かった。前半少し眠し。体調も悪かったし(爪の色が薄~く青白いじゃん)。やばい、カメラがこっち向いてる。そう、NHKの芸術劇場の中継が入っていたのだった。OAは8/3らしい。眠そうな顔が映ってなきゃいいが…。
今日のプログラム。
- マーラー:交響曲第10番より「アダージョ」
- ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン・ソナタ 作品134
休憩20分
- カンチェリ:リトル・ダネリアーダ(日本初演)
- ピアソラ:ブエノスアイレスの四季
マーラーから入る。楽団の弦楽合奏の質の高さを見せようとしたんでしょうか(初期のサイトウキネンみたいな?)。この曲、初めて聴いたのは学生時代、ジョージ・セル指揮のクリーブランドだったかな、6番とのカップリングだったんだけど、ぶっ飛んだ記憶がある。すげー音楽。行っちゃってます。そん時ほどの衝撃はない。これでもか!って感じのキレ~イな演奏でした。
ショスタコは少し前に演目変更された曲。「変更しますよ」カードが家に届いた。けど、チケット取ったときは、プログラム発表になってなかったから、何でもいいんですけど。M.ジンマン&A.プシカレフによるヴァイオリン、打楽器と弦楽合奏による編曲版(日本初演)。ショスタコは嫌いじゃないんだが、上着で火照った体と爪が青くなるほどの低血圧にはきつい曲だった。実はヘトヘトなんだよね、オイラ。もちっと、血圧上がるような曲だったら…と思いながら、半分うつつの中であまりにも美しいクレーメルの音と、合奏団の能力の高さに関心は忘れなかった。
♪
休憩20分。カツを入れるために白ワイン350円をあおる。ついでにCDを2枚購入。売店の人も、CD屋のおっちゃんも、いかにもジモティな感じで、温かいおもてなしがうれしい。
CDは、ショスタコのヴァイオリンソナタ。「あー、これ、今やった曲ね」とCD屋のおっちゃん。も一枚は、ピアソラの「ブエノスアイレスの四季」が入った「エイト・シーズンズ」。クレーメルは早くからピアソラを取り上げていた。といってもクレーメルの「ピアソラへのオマージュ」で初めてピアソラという名前を聴いたんだけど。もう10年前か。あの頃、ピアソラを取り上げるクラシックミュージシャンが多かったような。(…なるほど、没後5周年だったのか)
後半はワインで血行をよくして、上着を脱いで聴く。
3曲目は、カンチェリ。初めて名を聴く作曲家。
これはなかなか面白い曲。演奏の途中で楽団員全員で声を出す。「Cool」とか「Go!」とか、「チュクチュクチュクチュク」みたいな擬音とか。その辺はユーモラスなのだが、曲としても面白い。クレーメルのテクニックが存分に楽しめる。もちろんテクニックだけじゃなく、音楽性も素晴らしいのだが。ソロパートではハーモニクス(ヴァイオリンでもそういうのかな)での演奏が延々と続く。切れのいいハーモニクス。すげえ。ピッチがビシッと決まる。弦の上にふれてるだけの指にヴァイヴレーションをかけて、ニュアンスたっぷりに聴かせてくれる。ピアノとドラムスも入って、クレーメルの音楽の幅の広さを感じさせる曲でした。相当バッチリ目が覚めましたよ、この演奏で。
そしてピアソラ。
いやー、スゴイすよ、クレメラータ・バルティカ。
あのリズム感はすごいな。彼らの体には本物のリズムが宿っている。ニューヨーク・フィルハーモニック木管五重奏団のときも感じたけど、ジャズとかラテンが得意な楽団は、いろんな曲を楽々と演奏してしまうように見える。ピアソラ演ってるときの団員の楽しそうなこと。特に、チェロの、ちょっとトルシエに似た男。それからコントラバスの若い頃のUSA代表ドノバンに似たショートカットの男。もう、ノリノリですわ。それからヴィオラの女性もいい顔して演ってました。
弦のブリッジの後ろを使って不思議な音を出したり、コントラバスは弓で弦をたたいたり、弦を指板にたたきつけたり、いろんな効果音が入った曲。面白い。
クラシカルなパートでは、チェロのソロをものすごい美人の女性奏者が、いい音聴かせてくれました。
アンコールもピアソラ。マリンバ?(ヴァイブラフォン?)が加わって、このマリンバ?がまたイケメンでめちゃうまくて…、4本のマレットですげージャズィーな演奏。体ゆれゆれで聴いてしまった。
いやー、いい演奏会でした。
家に帰って「エイト・シーズンズ」を聴いてみた。ヴィヴァルディの四季と入れ子になっていて、イマイチ。ピアソラ部分だけまとめて録音して聴いてみることにしよう。
Vivaldi and Piazzolla: Eight Seasons ショスタコーヴィチ:ヴァイオリンソナタシベリアを食べてみた。羊羹部分が水ようかんのようなソフトな仕上がり。…微妙。
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