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2005年11月 9日

ど感動 ALWAYS

 涙がぽろぽろ流れてしまった。

 いやー、すっかりやられてしまったよ。
 大ヒット中の映画 「ALWAYS 三丁目の夕日」 を観たんだけど、泣かせる映画だ。笑いもあるけど。

 昭和33年(ボクの生まれる1年前)、貧しいけれど夢にあふれた47年前の東京にある、どこかの三丁目の商店街を舞台に描かれる、温かくて優しい人間ドラマ。

 本当によくできた映画。というか、よく作った映画です。

 脚本も演出も、映像も役者の演技も、これ見よがしのハデさはなくて、三丁目ワールドの一部としてリアルに存在する。

 もちろん笑いの要素として誇張された演出もあるけど、笑ってください的なあざとさはまったくない。笑わせキャラも存在しない。キャラクターが、その人物なりに自然に生きて行動した結果が笑いにつながる、そんな感じ。

 キャスティングがまた見事。うまい人ばっかり。うまいからその役者の存在を消せる。キャスティング・ディレクターは誰だろうかとスタッフロールを見たがそれらしき役割の人は見あたらなかった。プロデューサー?それとも監督?うまいこと配役したもんだ。

配役

星野六子……堀北真希茶川竜之介……吉岡秀隆
鈴木一平……小清水一揮石崎ヒロミ……小雪
鈴木則文……堤真一古行淳之介……須賀健太
鈴木トモエ……薬師丸ひろ子宅間史郎……三浦友和

 その他、多くの名バイプレイヤーが目立たず好演。

 映画は、三丁目にある二軒の家を中心に描かれる。

 一軒は堤真一演ずる小さな自動車修理工場・鈴木オートが舞台。

 「野ブタ。……」の堀北真希は青森から集団就職で上京する金の卵・六ちゃんの役。鈴木オートに住み込みで就職する。堀北ちゃん、すばらし~い演技。どこかあか抜けない子だったけど、それが幸いしたのかな。

 それから、鈴木オートのお母さんは、「1リットルの涙」の薬師丸ひろ子。こちらも1リットル同様、演技とは思えない、実在感抜群の昭和の妻役を演じている。パーマを当てた昭和な髪型も似合ってる。いたよ、ああいうおかみさん、どこにでも。

 この家の子ども一平を演じる小清水一揮くんは、丸顔でくりくりの目、髪も坊ちゃんがりで、あの時代の少年がそのまま飛び出してきたかのよう。ヤンチャだけど、優しい、行動力のある男の子を好演。

 もう一軒の舞台は鈴木オートのお向かいさん、駄菓子屋の茶川商店。

 須賀健太くんは、母親に捨てられた私生児・淳之介役。ほとんどしゃべらず感情も表さない前半から、徐々に口数が増え少しずつ活発になり、そして最後は無言ではあるが強い自分の意志を示す。胸に迫るすごい演技力だ。

 彼とからんで名ドラマを展開するのが吉岡秀隆。淳之介を預かって育てる、茶川商店の主であり見栄っ張りの売れない小説家の役。この人は紛う方なき名優の誉れ高い人。(ボクはほとんど見たことないんだけど(^^;
 少しコミカルに、それは茶川の精一杯のやせ我慢だったりするのだが、純粋で不器用な男を演じている。

 この2人、ホントにうまいな。

 まだ子どもの人権なんてうるさく騒ぐ時代じゃなかった頃、実際、たくさんあったんだろうな、こんな関係。今もあるけど、人権の陰に隠されてるんだろうな。悲しいけど温かい心の絆。あうう、思い出すだけで涙腺が……。

 それから、脇を固める役者さんで気になった人。

 小日向文世さん。ちょっと軟弱、柔和な役が多いんだけど、この映画ではスゴイ威圧感のある男の役。この配役はお見事。改めて力のある役者さんなんだと再認識。

 あとは、ほとんど目立たないけど、お巡りさんの飯田基祐さん。この人も巧いな。たぶん「海猿」で副官みたいな、外国語で不審船にアナウンスしたりするクールな役を演った人だと思うんだけど、下町の巡査をコミカルに好演。なんとなく、戦争中は兵隊さんに憧れてた少年だったのだろうな、なんて、勝手に想像できるキャラクターでした。(よく考えたら、昭和33年当時にあの年齢ならば、ほぼ間違いなく兵隊の経験ありますね。当時27才以上であればその可能性があり、31才以上であれば一銭五厘の赤紙を受け取ったはずですぞ)

 この映画、なんと言ってもデジタル処理がスゴイ。シン・シティほどじゃないけど、ブルーバックを前に役者さんが演技をし、CGで作った当時の景色をはめ込んだんでしょう。とにかくその出来のよさ。まったく違和感なく、昔の東京を再現してた。

 デキル人が使うとCGって、やっぱスゴイ。押しつけがましくないのだ。途中で空想科学小説の風景が出るんだけど、そこはいかにもCGっぽく作って、普段の風景はリアリティ抜群。建設中の東京タワーも常に遠景で見せて、いかにも再現してます的なあざとさがない。この絵作りは素晴らしい。

 建て込みのセットや、その中の生活道具、道を走る車など、全てが本物。この細部にわたるこだわりによって、当時を知っている人(ボクが覚えてるのはこの5年後くらいから。当時神田淡路町に住んでた)が見て、まったく違和感を覚えない世界に仕上げてるんじゃないかな。

 蒸気機関車も、すごく懐かしい。ボクは東京でSLを見ただろうか。その辺はさだかでないんだけど、田舎に遊びに行くとき、開通したばかりの新感線で名古屋に降り立った時、だだっ広い駅に何本も線路が走り、そのほとんどにSLが停車していた光景、それはそれは壮観な、を思い出した。田舎は高山なんだけど、高山本線は当然SLでした。(トンネルの手前になると前の方から「トンネルだぞー」って伝言が来て、みんなで列車の窓を閉める。閉めないと石炭くさい煙が車内に充満して難渋するのだ)

 やっぱりね、この映画の大きな魅力に、その懐かしさがあることは確か。(子どもはなんで細い隙間を通りたがるんだろうか、とかね。今の子どもはやらないらしい、危ないから。それからボクも昔は住み込みのお姉さんとか、近所のタイピストのお姉さんとかとお話しするのが好きだったな。「いいこと教えてあげよっか」「ど~しよーかなー」なんて)当時を知らない人も懐かしさを感じるらしい。なぜだろうか。

 観客は年配のグループやご夫婦が多かった。子ども連れの家族も。

 年配のカップルは懐かしい光景を見て、ひそひそと思い出話をする人が多かった。でもまったく気にならない。神経質に観る映画ではない。のめり込まなくても、映画の方から自然に世界に引き込んでくれる。それに、高度経済成長の入り口にある、映画の中の三丁目も、ザワザワザワととってもにぎやか。観ている者も三丁目の住人になってしまえるのだ。

 気になったといえば、おばさんグループ。吉岡秀隆演ずる茶川の言動にいちいち笑うのだ。ユーモラスなシーンならいくら笑っていただいてもけっこうだけど、茶川の精一杯のやせ我慢や大切な女性を前にした緊張や誠意あふれる贈り物まで一笑に付すとはどういうことよ。女どもは男の純情を解せねえのかあ~ぁ♪ なんつって。でも、おばさんたち、ロマンがなさ過ぎ、そんなんじゃ大切な人と幸せを作り出すことはできないぜぇ……なんつって。(しょせん女は現実的な生き物さ……って、この年で独り者のオイラが言うことじゃないけどね。そういうことよ、そのよーよ)

 原作:西岸良平。脚本:古沢良太。脚本・監督・VFX:山崎貴。(山崎氏に超ブラボー!)

 公式ホームページには特別割引券が用意されていて、印刷して窓口に出すと三百圓の割引になるという。気付かなかった、勿体ないことをした。

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コメント

見にいかれたんですね。いいなあ。
(映画館が遠いのでなかなか行けず)

セットとか細かいところまできちんとできてそうで、見応えもありそう。

サイトも結構凝っていますよね。
「回覧板」には、きちんと町内の方の印が押されてあったり!

投稿: ずきみ | 2005年11月11日 08:25

こんばんは~。

そっか~、映画館遠いのか~。残念。
でも、ヒットしてるからロングランするんじゃないかな。近くに行ったら、観た方がいいよ。絶対オススメ。

サイト開くと掛かってる音楽、あれ、映画のサウンドトラックなんだけど、音楽にも泣かされるんだよね。
D-51が歌うタイトル曲もとってもいいし。(映画に出てきたSLはデゴイチじゃなくてシロクニでしたけど)

あー、なんだか、何から何までイイ映画でした。今年観たナンバーワンかも。

投稿: 大豆>ずきみ | 2005年11月11日 22:55

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