2009年6月 7日

ゲンチュウ

 元気注入ステージ。

 ヘアスプレーだあ!

 2007年の日本公演2回観て、また観たいと思ってた所に、映画も公開(これはちょっと後悔)、とにかく大好きなステージだったんで、今年の公演が発表されて以来楽しみにしていたのだ。

 チケットは昨年12月中旬に取った。あの頃はこんなに体が悪くなるとは思わなかったけん。

 今日も調子悪い。今クールの薬の副作用は強いなあ。ホントヤバイ。明後日また治療。いやだいやだ。

 出かけようかどうしようか悩んだんだけど、新宿まで行ってやばかったら帰ってくることにして、とりあえず出かけてみる。

hairspray
ワールドツアーカンパニー公演
2009/06/06(土) 18:00~ 新宿厚生年金会館大ホール

 今日の席は4列目上手ブロック。4列目とはいっても、オケピがあるので実質2列目。左隣の席は空席でした。前の席にはサトエリに似た美女が彼氏?と共に…。右横は若~い女子2人組。そんな環境。

 「OH!OH!OH!」とステージが始まるとオイラはいつものごとく体を揺すり、ヒューヒュー大騒ぎさ。体はいいのかい。

 マジックですね。ヘアスプレー。観ると必ず元気になる。

 今日のお客さんは全体にノリが凄くよくてオイラ好みの賑やかでエキサイティングな観劇になった。オイラも遠慮なく騒げたってもんだ。

 前回の公演とは小屋も違うしキャストも大幅に違うので、ちょっと印象が異なった。

 特にキャストでいうと、ペニーが残念。前回公演のアリッサ・マルゲリが抜群によくて、ペニーのキャラクターを完全にものにしていた。今回のアンバー・リーズは平凡。ペニーとアンバー(役名です)が同じようなアホキャラでかぶって見えた。

 オイラはペニー目当てでヘアスプレー観てるのでかなり残念でした。

 そのかわり、ペニーの母親役・体育教師役・看守役として活躍したケイト・フィーリックがクレイジーで強烈なキャラクター(3人とも同じといえば同じですが)を演じていたのが印象的だ。

 歌力が物を言うミス・ボルティモア・クラブのヴェルマ役のアリエル・タイラー・ペイジ、モーターマウス・メイベル役のリサ・リネットはメチャ巧かったけど、これも前回のキャストの方が印象に残ってるなあ。記憶は美化されるからかな。とはいえ、今回の2人にも最後の挨拶のところではヒューヒューしちゃいましたよ。素晴らしい歌でした。

 なんにも食べずに夜9時まで盛り上がりましたよ。この元気はまやかしの元気? あ~あ、ホントに元気な体になりたい。そんで、またhairsprayが観たい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年5月18日

無理してみた

 お腹は痛い。ものもなかなか食べられない。腸の癒着に伴う通過障害。これさえなければ、ホントの病気との闘いももっと希望が持てるだろうに…。

 そんな希望のない毎日ですが、ちょっと無理してお楽しみに出かけてみた。仕事行くのもけっこう辛いのに…いいのか。

大塚愛 LOVE LETTER Tour 2009
~ライト照らして、愛と夢と感動と…笑いと!~

2009/05/17(日) 17:00~ 横浜アリーナ

 愛ちんのコンサート。

 横アリには、いつものごとく大行列に並んで入場。食欲は全くないのだがエネルギー補給が必要。ケンタの出店があったので、クリスピーチキン2ピースとビスケット1ケのセット600円を購入。チキン1ピース食べたところでもう食えない。帰りの電車で残りを食べることにする。

 座席はアリーナ席Bブロック。ステージから50mくらい離れてるかな。第2ステージみたいな所の真横みたいなとこ。いずれにしても遠いね。

 LOVE LETTER Tourということで、おとなしめの曲が多くて助かったかも。総立ちでしたからそれなりに疲れた。軽く踊ったし。

 それでも愛ちんのコンサートは元気が出るな。

 大変お金のかかった(であろう)ライブでした。人形アニメの映像や、ものすごい数のダンサーや、シャチハタのビッグバンドや、ストリングスや、アンコールラスト、CHU-LIPの愛ちん、バンドメンバー、ダンサーの豪華絢爛衣裳と演出とか、凄いね。いいもの観ました。

 リボン噴射のお楽しみもありーな。今日は生まれて初めてリボンゲット。真後ろの席におちびちゃんが若いパパと来てたので、その子にあげた。

 横浜は家から1時間圏。そして、そのほとんどは快速電車のグリーン車で楽ちんです。とはいえ、この体にはダメージあるね。でもたまには楽しみを味わわないと、鬱になりそう。

 今年は数々のチケットをゴミクズにしてしまった。たまには無理もいいかも。

 LOVECUBE限定グッズが売っていたので、デジタル会員証見せて、愛ちんのストラップとラブキューブの携帯クリーナーを買った。

 んで、WalkmanのXシリーズ32GBに着けた。こいつ、タッチパネルなのでけっこう汚れる。クリーナーが欲しいと思ってたとこなのだ。

 Walkman X むちゃ音がいい。デジタルアンプにかなりの自信持ってるみたいだったけど、伊達じゃない。audio-technica CK9との組み合わせで純オーディオ的楽しみができてる。ビデオ転送がなかなかうまくいかないけど…。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月12日

ただ つかれた

 2カ月ぶりにお出かけをした。

 1月の検査入院で良くない結果が出て、2月~3月にかけて入院生活も送った。

 その間、体がいうことがきかずに見送った公演が5つか…。

 体調はどんどん悪くなるのだけど、気分だけでも復活させようと、去年12月に仕込んだチケット片手に赤坂へ…。

劇団☆新感線二〇〇九春 いのうえ歌舞伎☆壊
Inoue-Kabuki Punk
蜉蝣峠
作・宮藤官九郎/演出・いのうえひでのり
古田新太/堤真一/高岡早紀
勝地涼/木村了/梶原善
粟根まこと/高田聖子/橋本じゅん/他
2009/04/11(土) 12:30~ 赤坂ACTシアター

 クドカン・いのうえコンビはシェークスピアを大胆に翻案したメタルマクベス以来。

 今作はオリジナル。クドカンらしいオバカなギャグ満載で笑いどころが多く、これまでの重苦しいドラマチックないのうえ歌舞伎とはひと味違う。いい意味で期待がはずれた。

 どんな話かと思い浮かべると、古田新太演ずる過去をなくした男が、大詰め、いまわの際に発する一言、あれが全てか。むなしくも悲しい、歴史の端っこにも残らない男の生き様、往生際。

 人間ってむなしいね。

 さりげないけど、心に焼き付くバツグンの大詰めでした。

 役者では、勝地涼くんと木村了くんが、「えーっ!」て感じで、いい役でした。演技も。特に木村君は舞台映えするなあ。最初誰だか分からなかった。

 いのうえトミー以来の高岡早紀は時代劇もいいですね。今回は若い娘の役だ。顔ちっちゃくて可愛い。

 顔ちっちゃいといえば堤真一もすげー小さい。古田新太の半分しかないし。

 今日の席は赤坂ACTシアターでは初めての2階席。上手側ブロック3列目の真ん中辺。左隣にお相撲さんかよ!が座りました。凄いデカイの。うちの席に4分の1くらいはみ出るの。右隣はすご~く細い女の子。席の幅、平均できたらよいのにね…。

 しかし、半年間で20キロもやせ細ってしまったので、お出かけに着ていくもんがないなあ。

 そして、2カ月ぶりのお出かけは、ただただ疲れた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月15日

あおいでーならず

 医者に予約を入れてたのを忘れて、少年メリケンサックの初日舞台挨拶券をリザーブしてしまった。

 2550円(ネット手数料込み)もしたのだが、諦めて医者に…。

 今日は一日宮崎あおいデーにしようと思ってたのに、残念です…!

その夜明け、嘘。
宮崎あおい/吉本菜穂子/六角精児
脚本・演出:福原充則
2009/02/14(土) 19:00~ 青山円形劇場

 宮崎あおい主演の舞台。オバカな舞台でした。

 役者3人だけで2時間の舞台。しかも動きもかなりあるのでヘヴィーそうです。

 ストーリーは…無に等しい。一人何役にも変身するキャラクターとシチュエーションの面白さ、ナンセンスな展開を楽しむ舞台。

 コントっぽいともいえるか。

 メインキャラより涙の妖精と自転車の神様に持って行かれた。

 個人的には漫画家と編集者の関係が気になった。あんな関係はあり得ないでしょ。小さな出版社で、相手が看板作家ならあり得るのかなあ。

 まあ、基本的に「作家物」は面白くないのである。なぜか。それは劇中の作家はどれもこれもろくな才能がないからである。昨年末に観たキャラメルボックス公演もそうだったけど、作家は主人公にしない方がいいのだけど、なぜやりたがるんだろうか。

 笑える舞台だし、宮崎さん、そして吉本さん六角さん、とても魅力的、演出も限られた空間をB級っぽく使って面白いんだけど、も少しストーリーがないと2時間は長いかな。

 全体に毒が強く、弱った体には刺激が強すぎたのかも。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月 6日

なかりーさ

 見たかったのに見逃した映画「純喫茶磯辺」のDVDが出てたので買ってきて観た。

 おもしろかった。

 もっとオバカな映画かと思ったけど、根底はシリアスで、心温まる作品。

 ちょっとハラハラ、軽く胸キュン、オジさんのに響く映画です。

 離婚家庭の一つのスタイルをリアルに描いているのかも。

 それにしても仲里依紗は最高です。あの子は色んな引き出しがあるなあ。CMの美少女っぷりとか、別のCMでは小劇団の女優みたいな演技とか、ドラマではスタイリッシュなオーバーアクションとか、表情や声の出し方、演技のスタイルが観る作品、演じる役によってかなり違う感じ。すごく好きなタイプの女優さんですわ。今年ハタチになるのか。この先がますます楽しみだ。

 宮迫、麻生久美子もいい演技。

 主要な登場人物全てを温かい眼差しで見ることができる、愛すべき人物だらけの映画。

 特典DVDのメイキングも丹念に編集してあって面白い。吉田監督にも興味津々です。

 仲里依紗がナレーションをつとめる短い特番?もいい。仲さんは、アニメの声優でもそうだけど、声だけ聴いても魅力的

 これはお買い得のDVDでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月 4日

放射能男

 PETなる検査を受けてきた。

 朝から何も食わずに、というか昨夜の夕食以来ですが、午後1時過ぎに病院へ。

 薬を静注。体中に行き渡るまで1時間休む。

 PETスキャナに入って断層撮影20分。

 その後20分休んでようやく解放。

 午後3時半だった。

 腹が減って頭くらくら。

 先々週から検査のために何度目の絶食だろうか。

 検査は体に悪いなあ。

 そういえば今日打った注射。放射性物質が入っているという。

 子供や妊婦と触れあわないように注意された…。

 放射能男かデロリンマンか。

 体に悪い。ような気がする。

 そういえばMRIの造影剤でもゲロ吐きそうになったし、CTの造影剤ではぜんそくになったし、やっぱ検査は体に悪い。ような気がする。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月 1日

さらなる高みへ

 向上心がないのである。会社では各種資格取得を奨励しているのだが、なかなか取ろうという気が起きない。勉強嫌いだし。

 懲りない奴、でもある。忘れた頃に同じ失敗を繰り返す。調子ノリ。病気もそうだね。なんで病気ばっかするかね。

 昨日、金曜に退院。来週PETなる検査をし、再来週診断を下されるらしい。はあ~。いやんなるなあ。

 気晴らしにコンサートを聴きに晴海に向かう。

クアルテット・エクセルシオ
ラボ・エクセルシオ 20世紀・日本と世界II

2009/01/31(土) 18:00~ 第一生命ホール

 Quartet Excelsior、桐朋の学生時代に結成して以来15年目の日本人弦楽四重奏団。エクセルシオールとは常に上を目指すという意味らしい。素晴らしい…。

 ラボってくらいなので、実験室ですか、研究室ですか。向上心ですよ。

 プログラムは前半ウェーベルン、後半は間宮芳生の弦楽四重奏曲プログラム。

 とんがってます。お客の入りはさすがに満席とはいかず。

 でも大正解のコンサートでした。

 正直、ウェーベルンもマミヤミチオもほとんど聴いたことがないのですが、面白いプログラムでした。

    プレトーク
  • 間宮芳生
    アントン・ウェーベルン
  1. 弦楽四重奏曲(1905)
  2. 弦楽四重奏のための5つの楽章 op.5(1909)
  3. 弦楽四重奏のための6つのバガテル op.9(1913)
  4. 弦楽四重奏曲 op.28(1938)

-休憩-

    間宮芳生
  1. 弦楽四重奏曲第1番(1963)
  2. 弦楽四重奏曲第2番「いのちみな調和の海より」(1980)

 前半ウェーベルン。

 1曲目は美しいところのたくさんある、現代曲の入門編といった感じのメロディアス(部分的に…)な曲。

 ボクが気に入ったのは2曲目のop.5。これはいい曲。美しく、エキサイティングで、ダイナミックな構成。音楽的に楽しめる曲。

 op.9は意味不明…(^^; 1曲1曲がめちゃくちゃ短い。音楽的な面白さを感じる前に終わってしまうような、肩すかし?的作品。

 op.28はウェーベルンのイメージ通り、難解な曲。大きなスケール感は感じたけど、イマイチ好きじゃない。

 休憩はさんで後半。

 間宮芳生さんの作品はメチャ面白い! 気に入りました。

 1曲目の第1番。音楽的な仕掛けがたっぷり入って楽しめる曲。

 プレトークで解説されていたのだが、それによると第1楽章は「地獄絵」だそうだ。そこから想像したのは「おぞましい恐怖の曲!」って感じだったんだけど、そうではなく、美しさも感じられる曲だった。

 恐怖の曲というと、昔、クロノスカルテットのブラック・エンジェルスだったかな、そんなアルバムを買ってきて、あまりの恐怖に途中で止めて、以来20年も封印しているCDがあって、間宮さんの1番1楽章がそんなだったらどうしよう、と身構えていたのだが、よかった…。他に怖くて聴けない曲にR.シュトラウスのエレクトラだっけ、って曲もある。

 間宮さんの弦楽四重奏曲第1番は、黒田喜夫という人の詩集「不安と遊撃」の一遍「原点破壊」を曲にしたものだという。歌も入れる予定だったらしいが言葉抜きで完成させたという。詩の文言はあまりにおぞましく女性は総毛立つくらい嫌悪するらしい…。読んでみたいとはあまり思わない。

 2楽章は能の謡曲のような緊張感ある雰囲気を出したという。確かに。解説聞いてなくてもそれはよく分かる。

 …と、ここまで聴いていてエクセルシオの演奏が本当に凄いと、認識する。個々人の演奏技術は先日聴いた庄司紗矢香やヒラリー・ハーンのようなレベルではないのだが、4人の合奏能力の高さは凄まじくレベルが高い。

 特に、間宮の音楽はリズムやテンポをピシッと揃えるのがとても大変そうな、聴く方は楽しい仕掛けがたくさん入った面白い楽曲。弾く方は大変そうな曲なのだが、エクセルシオの4人は「どうしてそこまで揃うんだ!」と感嘆したくなるほどの息のあった演奏。超絶技巧合奏って感じでワクワクしますよ。

 3楽章、アフリカの歌、複数のリズムが重なって織りなすポリリズム、チェロはジャズのベースのように軽快にリズムを刻み、とにかくノリのいい音楽で、奇跡のように繰り広げられる合奏のアンサンブルに、ボクの心臓はバクバクと早鐘のように鼓動するのだった。興奮と感動の演奏。

 いつまでも心臓バクバク、このまま2曲目に入ってしまうのか?

 2曲目、弦楽四重奏曲第2番。

 色合いは1番とまったく違うのですが、これも面白い曲。

 音楽的には1番の「これでもか!」的なわかりやすい仕掛けは排除されてシンプルに聴こえるんだけど、こめられた音楽的仕掛けはやはり盛りだくさん。

 1部は減速するモティーフ、さらさらした液体を混ぜているうちにねばねばになるような物質があると仮定するとそのような減速感、典型はガムランのようなテンポの変化(間宮氏の解説より)ということで、メラネシアのパン・パイプ音楽にインスパイアされて、そのような減速するモティーフの音楽を書いてみよう、ということで作ったらしい。

 曲調はガムランとかメラネシアとかいったエスニックな色は全くなく、「減速するモティーフ」という音楽の形を取り入れた、ということのようだ。ガムランのように脳内で麻薬が構成されるようなハマリ感は全然感じない、現代的なロジカルな弦楽合奏曲。間宮氏の音楽は、とってもよくできていて、4人で演奏することを前提に4つの音の出方、残り方、なんというか、本当に効果的なんだな、ウェーベルンなんかより。

 2部は「即興的な音楽」(楽譜の段階で完全にできあがっている音楽ではなく、演奏する現場で作り上げていく音楽)を意識した作りだそうで、ものすごいマニアックな曲。プレトークで司会者が「簡単そうに聞こえるけどメンバーは一番演奏が大変と言っていた」と言っていたが、「簡単そうに」は聞こえないよ(^^; すげー! これぞエクセルシオの超絶技巧合奏だ!って感じの、見ていて、じゃない、聴いていてワクワクするような素晴らしい合奏。それをいうなら「軽やかに弾きこなしている」って言うんじゃない? 間宮氏も「そう聞こえなくては困る、それだけの演奏を要求する曲」と言っておられた。

 3部は泣き歌。スカンジナビア半島の葬儀で歌われる民謡から発想されたそうだ。これは、弦楽四重奏曲第1番が好評で、NHKから新作を委嘱された際に、お世話になった方へのレクイエムとして作ろうと、つまり第2番のメインテーマとして3部があるという感じなのでしょうか。

 緩やかで静謐な楽想。しばらく、ノンビブラートで民族音楽風のメランコリックな音楽が奏せられ、次の繰り返しでビブラートが加えられる。素朴な哀歌がどんどん歌に感情を込めた表現に変わり、音楽を奏する者の心の中の死を悼む気持ちの高ぶりが感じられる素晴らしい音楽。心に染み、感動の一言。

 …。とにかく、間宮さんの音楽はいい。そしてそれはエクセルシオの演奏能力が高いからこそ真価を発揮したのだと思う。

 ブラーヴォー。

 帰りにCDを買った。

 こちらもマニアックなプログラム。録音もいい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年1月26日

ナルミフタタビ

 昨夜より、また入院生活に舞い戻った。と、その前に、いのうえひでのりのシェークスピアという、まことに興味深い公演に寄ってきた。

パルコ・プロデュース公演 いのうえmeetsシェイクスピア
リチャード三世
2009/01/25(日) 13:30~ 赤坂ACTシアター
作:ウイリアム・シェイクスピア/翻訳:三神勲
演出:いのうえひでのり
古田新/安田成美/銀粉蝶
榎木孝明/若松武史/三田和代
大森博史/山本亮/川久保拓司
河野まさと/久世星佳/山内映美莉 ほか
音楽:岡崎司

 イープラスでははずれたのだが、ぴあのプレリザでゲット。座席は1F19列目上手側ブロック中央付近。

 この距離だとメガネだけではちとつらいのだが、双眼鏡をコインロッカーに入れてしまったので諦めてそのまま観る。

 前半が長く、後半一気にたたみかける新感線風構成の芝居だった。

 前半、ものすごく面白い話にグイグイ引き込まれる。リチャード三世って初めて触れるのだがメチャ面白いストーリー。

 悪党や血なまぐさい話がうまいいのうえ演出もハマってた。

 シェークスピアはこれまで蜷川物しか観たことがなかったんだけど、ニナガワに比べて格段にわかりやすいのがいい。本来モノローグとして語られる部分をすべて現代のテクノロジーを駆使した表現にアレンジすることで、ただしゃべりまくるより、すんなり入ってくる。会話シーンとのメリハリも際立つのであのアイディアはいい。

 会話もニナガワみたいにヘンテコなしゃべり方じゃなく、人間臭いのだ。セリフはシェークスピアなので例のごとしだけど、同じセリフでも、役者の演じ方でまるで違う。若干のアドリブも入るわけで、それもまた効果的なんだけど、キャラクターがよく出て感情移入がしやすい。…なのでわかりやすい。いのうえさんやるな。

 役者では、安田成美。いい声、セリフもうまい。シェークスピアのセリフを言わされてる感がない。表情も、立ち居振る舞いも、復帰作品とは思えない堂々たるもの。若く美しいお后・アン役なので、あの優しいニュアンスを含んだ若々しい高い美声がはまってる。後半、やっぱり双眼鏡を取り出してきて見たのだが、安田さん、めちゃくちゃ美しい人。そして可愛い。プロポーションも抜群。好きな女優さんだったんだけど、やっぱいいです。これからもどんどん舞台に上がっていただきたいものです。

 それから素晴らしい女優さんがもう一人、銀粉蝶さん。テレビでは名脇役、なんでも屋さんみたいな器用さを見せるが、シェークスピアの舞台上では圧倒的な存在感、群を抜いた演技力で、芝居全体に風格を与え、公演に箔をつけるような凄みある演技だった。彼女が演じるマーガレットの存在によって、舞台は本物のシェークスピア劇になった。

 また、若松武史(クラレンス公ジョージ)や榎木孝明(スタンリー卿)、三田和代(故ヨーク公爵夫人)らが脇に回って、なんとも贅沢な感じ。NHKの大河ドラマみたいだな。どなたもさすがの存在感、名演技。

 主役リチャード三世は古田新。あのカツゼツの悪さで務まるかな、と思ったのだが、やはり気になった。しかし、シェークスピアの複雑怪奇な長台詞をうまくこなし、独特の間の取り方、アドリブ、表情、ボケ、などなどで、古田の魅力は楽しめた。しかし、ストレート・シェークスピアには向かねーな、と正直思う。また、冷酷非情、とまで感じることができなかったのは、古田さん、バラエティーとか出て丸くなりすぎたかな。後半冒頭、間抜けな服着て出てくるところが白眉。キャラクター出てました。(笑)

 内野聖陽で観たかったかも。メタルマクベスの内野の方が極悪でしたね。今にして思うとメタルマクベス、クドカンの翻案力はすさまじい実力だったのだな。そして内野の演技。…、次は内野でいのうえストレートシェークスピアを…。

 後半の舞台はいつもの新感線トーンだ。正直、前半の落ち着いたトーンの演出に新味を覚えたのだが、後半はマンネリを感じてしまった。スタイルといえばスタイルなのだけど、ACTシアターのシンプルな舞台装置では新感線のダイナミックな迫力も出ず、イマイチ…。

 とはいえトータルではとても楽しめた公演だった。なにより、まったく眠くならないシェークスピア…。…、隣の女子はずっと眠ってましたけど。あげくに前半終了でお帰りに…。

 いのうえはシェークスピア物で、馬をバイクに置き換えるのが好きみたいだ。バイク、機関銃、携帯、インターフォン、ニュース速報、ICレコーダ、モバイルPC、マイクパフォーマンス、サイケファッション、テクノファッション…超時代的ツール・文化をいろいろ出すのは全く気にならなかったし、シェーバーは苦笑ポイントとして良しなんだけど、英国国旗が気になっちゃった。

 ファッションとしてユニオン・ジャックがそこらじゅうに登場するのだけど、お話はイングランド。やっぱここはイングランド国旗の方がよかったんじゃ…。スコットランド国旗とアイルランド国旗を重ね合わせたUK国旗は時代的にOKなんだっけ? イングランド王のお話であるならば、やっぱイングランド国旗の方がいんじゃねえかな。バッキンガム公はウエールズと通じて反乱起こしてたし。なんて、生半可な知識で気になってしまった。絵ヅラは面白いけどね。英国国旗。ロックっぽいし。

 ロックぽいといえば、最後に大活躍するリッチモンド伯の川久保拓司は金髪のロン毛がよく似合ってメチャかっこよかった。Change! Yes I Can!

 それからバッキンガム公役の大森博史さん、とってもお間抜けな腰巾着みたいなキャラクターがよござんした。

 また、子役も可愛らしくて、そして巧くていいのです。とくにおチビちゃんは古田さんの変な間にも動ぜず、素晴らしい笑いを作っていました。お譲ちゃんはセリフなしでしたね。ヘイスティングズ卿の山本亨さんもキモ可愛くてよかったっす。

 あとそうだ、殺し屋の河野まさと、奴が一番怖かったかもね。

 しかし、忙しすぎるいのうえさん。いのうえ歌舞伎の準備は進んでいるんだろうな。期待してまっせ。

 そしておいらはいつ退院できるんだろうか…。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009年1月25日

フユノセタタニ

 入院中。検査が長引いてる。膵臓がやっぱヤバそう。でも、観劇に抜ける。左手に病院のタグ付けたまま。

 昔、鶴ちゃんが、世田谷のことをセタタニって言ってて、それが凄く気に入ってる。世田谷を下町訳するとセタタニになるんでしょうか。今日は久々の三茶。セタタニパブリックシアターに初もうで。

冬の絵空
2009/01/24(土) 18:00~ 世田谷パブリックシアター
作・小松純也/演出・上演台本・鈴木勝秀
藤木直人/橋本じゅん/中越典子
生瀬勝久/加藤貴子/粟根まこと
中村まこと/片桐仁/伊達暁/新谷真弓
六角慎司/内田滋/小松利昌/前田悟
武田浩二/安田桃太郎/八十田勇一

 けっこういい大きさの小屋。今日の席はプレミアムシートってことで、2列目。ほんとに舞台がすぐそこ。役者さんもすぐそこ。でも例によって上手端っこから3つ目。演出によってダイジな演技が隠れちゃってることも…。(^^; センターブロック当たらんなあ。(1つぽっかり空いてましたけどね、病欠でしょうか)

 21年前に生まれた戯曲らしい。つまり再演ってことだ。とはいえおいらは初めて観る。

 面白い芝居でした。心中物と真珠物とか、吉良ウエノスケとか、くだらないボケがたんまり入ってるんだけど、つっこみがないので客の反応はイマイチ。おいらはその言葉遊びと、無理矢理笑わそう的なあざとさがないのが好み。いけてますね、あの本。

 しかし、生瀬勝久は巧い。ほとんど舞台を支配してました。それから中越典子、かなり舞台を踏んでるようだけど、なかなかの存在感。可愛いし目力も強い。

 好きなチャカコ(加藤貴子)もいい味出してました。彼女の役、そして演技で芝居がシリアスモードに転換。

 全体的には笑える芝居。粟根まことは凄い。持って行きます。吉良上野介には軽いかと思ったけど、あの動き、すごい力技で粟根ワールドに引きずり込まれる。こうゆう吉良もありますね、って説得力ある存在感だった。(^^;

 それから浅野内匠頭、その他、数役をこなした中村まことがマジうめえ。白塗りの花魁とかころころと役が変わるのはメイクしたり落としたり大変だろうな。声もよく通るし、舞台役者!って感じ。あと、チャカコと夫婦役の堀部安兵衛の内田滋はイケメンでカッコよいでした。

 さて、藤木直人様 かっこいいんです。が、舞台役者じゃないですね。所々光るところはありますけど、もっとハッチャケちゃっていいんじゃないでしょーか。次回の舞台に期待です。一番カッコよかったとこは、最後のあいさつの時。キャーって感じですよ、内心。生まれ変われるものなら藤木直人に生まれ変わりたい(^^;と常々思ってますけど、ほんとキレイな男ですわ。

 小劇場っぽいツッパリと笑いに溢れたいい芝居でした。が、カーテンコールが少なくてちょっと寂しかったな。生あいさつとか、あれば聴きたかったけどね。お客さん、すぐ拍手やめちゃったから、あんまり受けが良くなかったのかも。おいらは好きだけど。

 絵空事が本物になる瞬間。まやかしで命を落とし、物の怪に身を落とした者どもが、最後に本物に目を向け、本物の黄泉の国に向かう。ただ一人、まやかしに心とらわれ続ける物のみが魔道にとどまる。…そんな感じなのかな。はっきりわかりませんが。なかなかの騙しっぷりの脚本は爽快です。あの世から迎えに来た藤木とその手を取る中越、物の怪どもを引き連れて黄泉へと向かうラストシーンは美しい限り。

 会場を出たとこで、みんなが写真撮ってるので何かなと思ったら、看板でした。ポスターか。キャーって感じ?の目がいいっす。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年1月16日

微熱中年

 今日のオイラは微熱中年。会社で急にくしゃみが始まり、ちょい寒気。熱を測ると7度2分程度。

 今計ったら6度1分。下がったね。音楽がキイタかな。

ヒラリー・ハーン ヴァイオリン・リサイタル
ヒラリー・ハーン(v)/ヴァレンティーナ・リシッツァ(p)
2009/01/15(木) 19:00~
東京オペラシティコンサートホール

 先日のコラボコンサートとセットで買ったヒラリー・ハーンのリサイタル。会社を定時ちょい過ぎに出てタケミツメモリアルに18:30ジャスト着。例によってサンドウィッチとホットコーヒー、合わせて1000円。サンド半分残して鞄に入れてシートに着く。(残りは休憩時間にね)

 今日の席はイマサン。1階9列目のセンターブロック上手側から3つ目。ハーンを左手に見る。目の前には巨大な男が座っていて、まったくステージ上が見えない…。(^^; かなり浅く座って、前の男の首筋(ここしかスキマがない)からのぞき見る感じにポジションを決める。

 めちゃくちゃ「ブラボー」叫びましたよ。

 スバラスィー、コンサートでした。

 なまじな音楽ファンは拒絶するようなプログラムに意欲を感じます。仕掛けたっぷりの音楽たっぷり。

 わたしは変態的、じゃない全体的に音楽ならなんでもファンなので…ヘンな言い回し…とっても面白く、時にじっくりと、時にノリノリに、時にニヤケながら、楽しい一夜を過ごすことができた。またもや笑顔が止まらない。

  1. イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第4番 ホ短調 Op.27-4
  2. アイヴズ:ヴァイオリン・ソナタ第4番
    「キャンプの集いの子供の日」
  3. ブラームス(ヨアヒム編):ハンガリー舞曲集より
  4. アイヴズ:ヴァイオリン・ソナタ第2番

休憩

  1. イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第6番 ホ長調 Op.27-6
  2. イザイ:子供の夢 Op.14
  3. アイヴズ:ヴァイオリン・ソナタ第1番
  4. バルトーク(セーケイ編):ルーマニア民族舞曲

 前半と後半の1曲目はハーン一人舞台。

 1曲目のイザイ無伴奏ソナタ4番は古典風な曲…、かと思いきや、第3楽章はめちゃくちゃモダンでしかも民族音楽っぽい曲調でとても気に入った。途中、古典に回帰するけど…。今回のハーンの日本ツアープログラムは、この間のコラボコンサートを含めてフォークミュージックっぽい色合いが強い。ハーンの曲への取り組みも、素朴さというか、人間くささというか、そういう部分の表現にとっても魅力を感じさせてくれる。

 5曲目のイザイ無伴奏ソナタ6番は、曲調はエレガントなんだけど、いかにも超絶技巧を聴かせますよ的な作曲者の意図がありありと出た曲。しかし、ハーンが弾くと、ヴァイオリンなんて簡単じゃん!と思わせるほどスイスイスーラスラ軽々と弾きこなして、音楽的ニュアンスも自然にまぶしてくれるので、テクニカルな楽しみに終始することなく、マジ感動の演奏だった。ブラヴォ!(超絶技巧を楽しむってことで言えば、全開のコラボコンサートの方が凄まじかったね)

 アイヴズのソナタが3曲。

 これはどれもこれも興味深い…ストレートに面白い曲ばかり。ハーンが軽々弾くから面白さがちゃんと伝わるんだけど。

 面白い、といっても作曲者が仕込んだ音楽の冗談?が面白おかしいというのではなく、非常に興味深い、しかも音楽的に楽しめる、そして深い曲ばかりだということ。

 アイヴズの音楽ってほとんど聴いたことがなく、家にあるCDを探したけど、バーンスタイン指揮のNYP、交響曲2番+小曲が数曲入った盤しかなかった。

 2曲目の第4番は、仕掛けの部分は軽くジャブという感じ。終わり方がね。曲は賛美歌のモティーフを使っているらしいけど、フォークっぽく聞こえる。

 4曲目の第2番が気に入った。特に第2楽章。ピアノがジャズっぽいシンコペーションでゴリゴリ弾きまくり、ヴァイオリンもノリノリの音楽を奏でる。聞き覚えのあるメロディーが散りばめられ、それも楽しい。いたるところ、色んな意味でニヤリとしてしまう。一転、第3楽章は静謐なイメージで、現代曲ならではの、いい感じの緊張感と麗しいレガートの音色を楽しめる。これはいい曲だなあ。ブラヴォー!

 7曲目の第1番も素晴らしい。これは力作。演奏もすごい。ピアノとヴァイオリンの作り出す、アメリカの田園風景、広大で、穏やかな空気にみたされた、時間が止まったような世界。そんなイメージが頭に広がる。フォークミュージックぽさ、そして、これはアメリカのエルガーじゃないの? とにかくアメリカを感じさせてくれる曲。ガーシュウィンみたいな都会じゃなくて、ピューリタンが入植したアーリーアメリカ。むちゃくちゃ厳かで、しかし重苦しくなく、現代曲的イカシタ緊張感も持ち合わせた、いい音楽です。ブラーヴォー!ブラーヴォー!!

 ブラームスの音楽も非凡でした。選んだのがヨアヒム編曲版。聴き慣れた曲が、かなりエキセントリックに響きます。かといって超絶技巧をひけらかすような曲でもなく。この選曲のセンスはすごいな。客にこびない姿勢というか。でも、舞曲なのですよ。ツアーのテーマはブレない。

 バルトークも舞曲です。この曲が一番だれにでもわかりやすい、というか、すんなり届く音楽だったかも。バルトークが!ですよ。

 すごいな、プログラムのセンス。

 唯一のサービス曲はイザイの「こどもの夢」。めちゃくちゃ美しい音で、麗しい演奏を聴かせましたよ。

 そう。ヒラリー・ハーンは音がいい。テクニックもバツグン。というより完璧すぎるくらいすごい演奏家。前にも書いたけど、ヴァイオリンがめちゃくちゃ簡単に見えてくるくらいすごい。

 も少し若い庄司紗矢香さんも凄いんですけど、方向性がちと違う。演奏する姿は鉄仮面。無用な情緒は込めないような演奏スタイル。しかしニュアンスのこもった音楽を聴かせるので、完全に計算し尽くして音を作り出すクールな演奏家。かなり興味深い人です。音はユラギのない澄み切った音。ユラギのある心をふるわせる庄司さんの音とはまた違う。

 さて、アンコールもまた挑戦的。…って、ヘンな表現ですが…。

 1曲目は、先日、ジョシュ・リッターのフォークギターとデュエットした、パガニーニのカンタービレ。

 計算ずくのこだわり。両方聴いてニヤリと笑え、って感じがいいね。

 2曲目は、今日のプログラムでヨアヒム編曲版で演った曲のオリジナル?(じゃないねヴァイオリン用の編曲版だし) やるなあ。

 両方とも、心の中で「おー!」と感嘆詞。

 アーティスト、ミュージシャン、プレイヤーとしてのハーンの他に、ステージを支配するプロデューサーとしてのハーンも、挑戦的で面白かった。

 興奮しました。ブラヴォー何度も言いました。熱烈中年ですよ。おかげで微熱が引いたかな。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«音楽姫